はじめに:不安になるのは、ごく自然な反応
収入が安定しない時期が続くと、気持ちも落ち着かなくなります。
今月は大丈夫でも、来月はどうなるか分からない。
数字を見るたびに、胸の奥がざわつく。
そんな状態になると、「もっと稼げる人は平気そうなのに」「自分は弱いのかな」と考えてしまうかもしれません。
でも、まず伝えたいのは、収入が不安定な状況で不安を感じるのは、とても自然な反応だということです。
生活と直結しているものが揺らげば、心も揺れます。
それは性格の問題でも、覚悟が足りないからでもありません。
ここでは、その不安を少し分解しながら、考え方の整理をしていきます。
悩みの正体を分解する:不安は「収入」だけが原因じゃない
収入が安定しないときの不安は、単にお金の問題だけではありません。
多くの場合、「先が見えないこと」への不安が大きく関わっています。
たとえば、
・いつまでこの状態が続くのか分からない
・今の選択が正しいのか判断できない
・何かあったときに立て直せるか不安
こうした不透明さが重なると、不安はどんどん膨らみます。
さらに、「全部自分の責任だ」と感じやすい点も見逃せません。
収入が減ると、「努力が足りない」「選択を間違えた」と、自分を責めやすくなります。
でも実際には、景気、タイミング、人との縁など、自分ではどうにもならない要素も多く含まれています。
不安は、怠けているサインではなく、「状況を何とか理解しようとする反応」なのかもしれません。
考え方・視点の整理:安定を一気に取り戻そうとしない
収入が不安定になると、「早く安定させなきゃ」と焦りが生まれます。
でも、その焦りが強すぎると、判断が荒くなったり、余計に動けなくなったりします。
ここで一つの視点として、
「安定=ずっと一定の収入」
という考えを、少し緩めてみるのも一案です。
短期的な上下がある中で、
・最低限は守れているか
・崩れたときの逃げ道はあるか
こうした観点で見ると、完全な安定ではなくても、「耐えられる状態」を作れていることがあります。
また、不安なときほど「正解」を探しがちですが、
収入に関しては、後からしか分からないことも多いです。
今できるのは、「今の判断が破綻していないか」を確認することくらいかもしれません。
一般化された具体例:途中で立ち止まる人の話
ある人は、収入が少し落ちた時期に、急に将来が怖くなりました。
仕事がなくなったわけではないのに、
「このまま下がり続けたらどうしよう」と考え始め、頭が止まらなくなったそうです。
この人は最初、「もっと動かなきゃ」と無理に詰め込みました。
でも疲れてしまい、かえって何も手につかなくなりました。
そこで一度、方向を変えました。
収入を増やすことよりも、
・毎月いくらあれば最低限回るのか
・今月はどこまで下がっても大丈夫か
こうした数字を静かに整理しました。
不安が消えたわけではありません。
でも、「底が分からない不安」から、「範囲が見える不安」に変わったことで、少し呼吸が楽になったと言います。
まとめ:行動は1mmだけ。無理に前向きにしない
収入が安定しないときに、不安を感じるのは自然なことです。
その不安を、気合いやポジティブさで押さえ込む必要はありません。
大切なのは、急に状況を好転させようとしないこと。
そして、不安があるままでも、ほんの1mmだけ動いてみることです。
・数字を一つ書き出す
・誰かに近況を伝える
・今日は何もしないと決める
それも立派な選択です。
収入の波がある中で生きるというのは、
常に途中で考え続けることなのかもしれません。
この文章が、答えにならなくても、
「今の状態をそのまま見てもいい」と思える材料になれば十分です。
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